Androidエンジニアからベンチャー企業でサーバーサイドエンジニアに転向して半年経って分かったこと
8/20入社だったので2/20でUbieに入社して半年になりました。つまりサーバサイドエンジニアに転向して半年経ちました。
以前の記事でこんなこと書いたので、続編を書いてみようと思います。
半年くらい働けば、きっと悪いところももっと見えてくるはずなので、来年落ち着いたらまた続編を書いていきたいと思います。
Ubie, incに入社しました。 - shiraji’s diary
今月のツイートを冷静に眺めてみるとそこまで自社に関してのツイートしていないし、恋は盲目状態から解放されているようなので、冷静に自分のことを分析してみようと思います。
サーバーサイドにキャリアチェンジしてどうだったか?
サーバサイドにキャリアチェンジしたのが正解だったかどうかに関してはまだわかっていません。これに関しては結論が当分出ないような気がしています。ただ、以前のエントリーにも書いてありますが、元々AndroidアプリもUIのことより通信だったり、パフォーマンスだったりを主に見ていたため、AOSPの辛さがなくのびのびKotlinを書けるという環境は本当に楽しいです。今後、多くのネイティブアプリエンジニア達がサーバサイドに目を向けるようになってきた時にサーバサイドKotlinというのは一つの可能性でもあるし、ガンガン発信していって、サーバサイドKotlinのプレゼンス高めていきたいという想いがあります。
新しいチャレンジ
新しいチャレンジとしてはGraphQLに手を出し始めたのは自分にとって大きな出来事でした。
GraphQLといえばGo、Rubyなどといった言語を使うのが主流な気がしますが、JVM言語でも可能性あるのでは?というところまで自分の中で良い印象を持っています。さらにここにKotlinならではの良さを追加出来ないか?と模索しているところです。
Androidアプリ開発と比較しての設計
設計に関しては、Androidアプリのように活発な動きはなく、特にAPIの作成の時などはシンプルな構成になります。ただし、Androidアプリでの経験が活きないか?と言われるとそれは間違っていて、Androidアプリで利用したDIやクリーンアーキテクチャなどは元々サーバサイドにあったものですし、そのまま利用することが出来ています。
開発環境
今まではAndroid Studioを使っていましたが、IntelliJ IDEAに乗り換えています。Android StudioとIntelliJを両方使ったことある人であれば、わかると思いますが、特に使い勝手は変わらず、多くのサーバサイドKotlinサポート機能が乗っていて、そこの乗り換えコストはほぼ0です。(自分はIntelliJ IDEAでプラグインを開発していたという経験もあるので、生存バイアスかかってるかもしれませんが。。。)
さらにCoroutineやテストツール(JUnit5やmockkなど)など馴染みがあるツールをそのまま利用できる事もあり、サーバサイド辛いなーと感じることが少ないです。
サーバサイドエンジニアとしての課題
自分が今課題と感じているのが、自分自身、結構ネイティブアプリの開発に注力しすぎてしまったため、ネイティブアプリのライブラリなどの知識は深くなっていますが、昨今のウェブの開発スタイルにまだ馴染めていません。UbieではGCPを主に使っていますが、GCPにどんな機能があるのかを完全に把握しておらず、実装しようとして、あれ?その機能GCPにあるのでは?というツッコミを受けたことがあります。その機能がどういうものなのか?などの把握はそこまで時間がかからないのですが、自分の引き出しの少なさにちょっとがっかりしています。
サーバサイドの進化はネイティブ開発に比べ遅い!と勝手に思って7,8年前までのサーバサイド開発のスタンスでいたのですが、これは完全に間違いでした。
Androidアプリエンジニアとしての不安
Androidアプリ開発の一線から退いて半年経ち、一番の不安は、最新のライブラリのキャッチアップが出来ないことです。例えば、JetPackの存在は知っていますし、コードはある程度眺めています。しかし、仕事でJetPackを使っていないですし、経験がありません。今年のGoogle IOでまた新しいものが発表された時、それに対して何かしら自分がアクションを起こせるかどうかは正直不明です。そのため、もしAndroidアプリエンジニアとしてカムバックしなくてはならない時、何かしらキャッチアップ期間がないと厳しそうだなーという感じています。
実際、今サーバサイドエンジニアにカムバックしたといえばカムバックした訳で、このキャッチアップに時間を使っているというのも不安です。半年経った今でもまだサーバサイドエンジニアですと胸張って言えないような感じなので、キャッチアップって結構時間かかるなーという印象を持っています。
ベンチャー企業に入ってどうだったか?
今までいくつかの企業で働いていて、上場してない企業としてはUbieは2社目です。それ以外の会社は全て上場していて、多くのユーザーを抱えている企業でした。1社目は10人くらいで、今回は現在20人くらいなのでほぼ変わらない規模です。こういう会社に入ると感じるのは自分の稼働が会社へダイレクトに良くも悪くも影響を与える事です。変なバグを出してしまったりすれば会社は潰れるかもしれませんし、逆に素晴らしい機能を出せば一気に会社が大きくなる可能性があります。自分が会社を動かしているかも?という錯覚すら覚えて喜べます。1社目で感じていたのですが、こういう感覚が好きなエンジニアには小さい会社ありだなーと改めて思いました。
ルール
新しい会社にはよくあることですが、ルールが決まっていないかったり、そもそもなかったりします。必要であれば社員みんなで議論して、即ルールを制定しています。
Ubieはなんかイベントが発生するとみんなで本気で解決しようとしてる姿勢が本当に良い。しきちさん忙しいはずなのに、これから子供持ちたいって人のために、人柱になって色々やってくれてるの最高。 https://t.co/Gf0PEeQgcb
— shiraji (@shiraj_i) 2019年1月31日
こういうことは小さな会社だから出来る自由さ、フットワークの軽さがあって、すごくいいなーと感じています。
働き方
働き方は今までよりワークライフバランスを特に意識するようになりました。これはリモートワークがいつでも自由に出来る状況*1であることが起因しているのですが、やろうと思えば、深夜でも早朝でも土日でもプライベートの時間を削って仕事が出来る状況になっています。 自分のプライベートのGitHubアカウントを会社でも使っているので、GitHubの通知を見ようとすると会社の通知とOSSの通知を同時に受け取ってしまえます。さらに言うと、自分の会社の出社時間が10:00-17:30でだいたい多くの人より早く帰っており、家で足りない稼働分(30分)働いています。そのためそのまま流れで気づいたら仕事してたみたいな状況に陥りがちです。会社の今のフェーズはできるだけ多くのリソースを割いて、サービスをどんどん良くしていくというのはわかっています。しかし今まだ設立1年半のこのタイミングでエンジニアがいっぱい残業してしまうと今後入ってくる人もそういうのを会社は期待してしまうし、それは健全ではないと思っているので、自分1人だけでもワークライフバランスを特に意識しています。
タスク
任されているタスクは結構自分から手を挙げたものが多いです。
- サーバサイドKotlinの実装
- DBテーブルの設計・実装
- 協力会社との連携処理の設計・実装
- SREの細かいタスクのサポート
- bot作成(これはほぼ遊びか?)
今フロントエンジニアの質がものすごく充実しているように見えます。結構勉強出来そうな環境です。しかし、今の自分がフロントで足引っ張るより、サーバサイドや人が足りていないSREで足引っ張った方が会社のためになるでしょという判断をしたため、SREエンジニアの修行させてもらっています。手取り足取り @sakajunquality から知見吸えているのですごく良い判断したなーって思っています。
時間の使い方
これまでの会社と一番違う部分は実は時間の使い方なんじゃないかと思っています。今までの会社ではリーダーだったり、外部の方とのやりとりだったり、雑多な管理だったり、採用だったりと、そこまでまとまったの時間を開発に割いていませんでした。(これだけ読むとダメじゃんー!って思われるかもしれませんが、自分はこれはこれで実は結構好きだし、楽しかったです。)
今の会社では毎週以下のような時間割でやっています。
- 会議(3時間15分 *2 )
- その他、定期的ではない会議や採用周り、週平均2時間くらい
- 残り週30時間以上は開発
この定期的な会議の多くは出社推奨日の水曜にまとめています。そのため、結構まとまった時間開発することが出来ています。ただ、これでも自分の会社の滞在時間の制限があるため、週1以上は必ずリモートで仕事をし、より長く開発に時間を割けるように工夫しています。
初めての経験
Ubieに入って初めての経験がいくつかありました。
OKR/KPT
スクラムなどは経験あったのですが、今まで業務でOKRやKPTを実際にやったことがありませんでした。OKRは今期から本格的に実施することになり、会社から本を買ってもらい、みんなで勉強して実施するようになりました。KPTは良かったことを褒め合う機会と問題の共有・対処の検討などをしっかりやれるのが気に入ってます。
アウトプットする人が多い
今まで自分より登壇する回数が多い同僚と働いたことがなかったです。Ubieでは社外へのアウトプットを推奨しており、エンジニアはもちろんのこと、デザイナーや医師、Bizもアウトプットする機会があればどんどんアウトプットしています。これがすごく刺激的で、自分ももっとアウトプットしたい!という気持ちが湧いてきます。
Ubieのエンジニア陣の登壇予定表が出来たのだけど、 @ngsw_taro @sakajunquality のアクティブさが半端ない。こう言う人たちに囲まれてるともうちょい自分も頑張らなきゃってなる。 pic.twitter.com/Cw1d62yUos
— shiraji (@shiraj_i) 2018年10月5日
名前
これは入社時からだけど、会社で初めて「しらじ」って呼ばれてる。呼ばれすぎてて、社外の方と話すときに、自分のことを本名で呼ばれたりするとドキっとするようになってしまった。。。
引っ越し
先日Ubieは引っ越しをしました。新しい場所は三越前駅徒歩10秒です。
今までも席替えやビルの部屋が変わるなどは毎年1,2回のペースで経験してましたが、オフィスの場所が変わる引っ越しは初めての経験でした。新しい環境で働くのはいつもワクワクなので、引っ越してもそこまで変わらないだろうなーって思ったのですが、引っ越して駅から近くなって、オフィスも広くなって、会社の成長をモロに実感出来たのがすごく嬉しかったです。ベンチャー企業の醍醐味だなーこれ。と感じています。このオフィスも2年以内に引っ越す予定なので、次はもっと大きな場所で働けるようにがんばろー!って気分になれました。
最後に
Androidエンジニアからのキャリアチェンジですが、SREにも手を出してますし、今のところうまく進んでいる気がします。会社の成長を感じられるのが本当に嬉しい日々です。
さて、こんなUbieですが、引き続き、いろんな職種を募集しています。
随時オフィス見学やUbie Dayなど社外の方を呼んで来てもらうようなイベントもやっていますので、興味あれば、TwitterでメンションやDM下さい。